ワークマンの「作務衣」が売り切れ続出 背景に“サウナグッズ”との共通点も(1/2 ページ)

» 2024年08月11日 06時00分 公開
[三好一葉ITmedia]

 ワークマンが7月上旬に発売した「WMリラックス作務衣 4点セット」(3900円)。僧侶が雑事(作務)の際に着る作業着が発祥の衣類「作務衣」と、バッグ・タオル・扇子のセット商品だ。スポット商品だが、発売されるとたちまちSNSで反響を呼び、用意した4000点は売り切れ間近となっているという(※8月7日時点での情報)。一体どのような点が支持されたのか。同社の広報担当者に、企画の背景を聞いた。

photo 一般向け業態の「ワークマンプラス」(ワークマン公式Webサイトより、以下同)

「低価格・カジュアル」路線で展開

 ワークマンは同商品を、作業着やリラックスウェアとしての使用を想定し訴求。ターゲットは一般層で、公式ECサイトのほか、実店舗としては幅広い客層向けの商品を取り扱う「ワークマンプラス」「ワークマン女子」で販売した。

photo ボタン付き前開きの仕様

 同社が取り扱っていた和装アイテムとしては、これまでに「鯉口シャツ」や「地下足袋」のほか、季節商品として「法被(はっぴ)」などがあったが、いずれも職人向けや祭りの運営スタッフをターゲットとした展開だった。しかし、コロナ禍で減少していた祭りなどのイベント開催も復調したことを受け、同社は「より低価格でカジュアルな」和装アイテムについても需要が見込めるのではないかと考えたという。

 なお、「ワークマンに作務衣を出してほしい」という要望は、以前よりSNS上で現役の僧侶から挙がっていたようだが、「そういったお客さまの声をいただいたのも(企画の)きっかけ」になっていたとのことだ。

「エントリーモデル」として訴求、過去にはサウナセットも

 商品を企画するにあたっては「和装への第一歩」と銘打ち、「低価格・初心者向け」というコンセプトにこだわったという。担当者によれば、一般的に作務衣の価格帯は「最低でも3000円以上」、中には1万円以上のものもあるという。このような相場感や、NB商品として展開する「鯉口シャツ」(2000〜3000円台)の価格も踏まえ、バッグ・タオル・扇子と合わせて3900円という価格に設定した。

photo 付属のバッグ

 「やはり『ワークマンで買う』となると、機能性が高く低価格という点がポイントになってくると思うので、他社の甚平などとは『お得感』で差別化したいと考えました。付属品については、エントリーモデルとして『一通りあったらうれしい』と思われる商品を選んで展開しています」と担当者は話す。

photo 付属の扇子
photo 付属のタオル
photo 4点セットの全体像
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