ワークマンが職人から叩かれているらしい。
同社は近年、キャンプやアウトドアを意識した品ぞろえを増やすほか、「カコクな365日(日常)を、ステキに変える。」をコンセプトに、レディース商品を展開する新業態「#ワークマン女子」を多く出店している。それに対して、もともとのメイン顧客だった現場の職人が「軽視されている」と気分を害しているという。
かなり古い話ではあるが、歌手・吉幾三さんのコマーシャルのイメージを引きずっている人がまだたくさんいるようで、今のような家族連れや女性客が気軽に訪れるようになってしまったワークマンの変化に戸惑い、肩身の狭い思いをしている職人もいらっしゃるそうだ。
では、このような「職人軽視批判」に耳を傾けて、ワークマンは原点に立ち戻るべきか。つまり、アウトドアや「#ワークマン女子」という方面ばかりに注力するのではなく、もともとの顧客である職人が満足するような品ぞろえを増やし、職人へのリスペクトにあふれる店づくりをすべきなのか。
さまざまな意見があるだろうが、個人的には「ノー」だ。もしそんなことをやってしまったら、ワークマンの勢いは顕著に失速するだろう。
なぜかというと、ここまで同社を成長させてきた「しない経営」と真逆の行動だからだ。
ワークマンをここまで成長させた土屋哲雄専務取締役によれば、同社は「しない経営」を経営の柱としている。儲(もう)かる商品をやらない、取引先を買えない、顧客管理をしない、海外進出をしない、社員にストレスを与えない、など多くの「しない」がある。その中でも最も重要なことは、「経営目標をたくさん掲げない」ことである。
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