企業やブランドが何かの目標を実現するために「変化」していくと、どうしても「変化を拒む人たち」が一定数現れてしまう。
もちろん、顧客の声に耳を傾けることは大事だが、その声が必ずしも正しいとは限らない。むしろ、一部の人たちにとっての利益を守るだけで、他の多くの顧客の不利益につながる場合も多いし、経営方針をブレさせて現場に混乱をもたらせば企業やブランド全体を衰退させていく恐れもある。
日本人が「豊かになりたい」というシンプルな目標を抱いていた高度経済成長期ならいざ知らず、これだけ多様な価値観や生き方がある現代社会で、「すべての人」が満足できるようなビジネスなどあるわけがない。
つまり、企業やブランドが目標を明確に定めれば定めるほど、そこには必ず「軽視された」と受け取る人たちがあらわれてしまうのだ。
そもそも、ネットやSNSで「企業やブランドを叩く人」というのは顧客の代表ではない。単なるストレス発散の場合もあるし、社会の注目を集めたい承認欲求を満たすために過激な言動をする人も多い。彼らはマクドナルドやユニクロという知名度やイメージが確立しているブランドを好んでターゲットにする傾向がある。
ワークマンもそういう人たちが増えてきたということは、有名税ではないが、ある意味でマクドナルドやユニクロなどと同じくらいのブランドに成長してきたということだ。
SNSなど声の大きな人の主張に惑わされることなく、ぜひ今後も「しない経営」で会社やブランドとして進むべき道をブレることなく突き進んでいただきたい。
テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。窪田順生のYouTube『地下メンタリーチャンネル』
近著に愛国報道の問題点を検証した『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)。このほか、本連載の人気記事をまとめた『バカ売れ法則大全』(共著/SBクリエイティブ)、『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受
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