ユニークな取り組みがたくさんある中で、そのうちの1つを簡単に紹介しよう。話は4年前にさかのぼる。2020年1月、マクドナルド秋葉原昭和通り店の閉店を受けて、近くにあったバーガーキングの店が「22年間たくさんのハッピーをありがとう」という垂れ幕を掲げた。しかし、一番左側の文字を「縦読み」すると「私たちの勝チ」という言葉が浮かび上がる――。
SNSで「マクドナルドをイジる戦略」がたびたび盛り上がっているが、このようなエピソードを紹介すると「ふざけたことばかりしているのね。目立ちたがり屋かいな?」などと思われたかもしれない。もちろん本業にもチカラを入れていて、個人的に気になっているのは店舗数だ。
19年5月に99店舗のうち22店舗が閉鎖したものの、そこから反転攻勢に。20年に100店を超え、そこからわずか3年ほどで200店に拡大したのだ。当時、店がどんどん増えている背景を取材していたときに、同社の野村一裕社長は「ちょっととんがった企画を考えていますので、楽しみにしてください」と話していた。その内容をようやく発表したのだ。空き物件の情報を募集する「バーガーキングを増やそう」キャンペーン(2月5日〜3月25日)である。
「バーガーキングを増やそう」の内容は、お客からバーガーキングの店舗にふさわしい物件を集めるというもの。その物件に店の看板がかかれば10万円を贈呈して、不合格になってもクーポンは提供する。
1月19日、X(旧Twitter)に投稿したところ、リポストは1.1万、いいねは1.3万ほどついた。「天才的な企画。低コストで開発とマーケティングが進む……これ思いついたとき脳汁すごかっただろうな」「こういった観点が持てる人がビジネスに強いんだろうな、話を聞いてすげえなと思った」といったコメントがあったほか、「〇〇に出店してほしい」「〇〇の物件が空いている。どうか?」などの情報もたくさんあったのだ。
で、キャンペーン当日、どのような反響があったのか。2月5日午後1時に、同社のWebサイトで受け付けたところ、6日午前11時現在で2万件を超える応募があったという。1時間で4000件を突破し、サーバに負荷がかかるほど。「期間内に数千件集まればいいかなと思っていましたが、想定以上の数字にびっくりしました」(同社の担当者)と振り返っていた。
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