金融教育の課題1位は「知識不足」 解決が難しいワケは?

» 2024年08月19日 10時00分 公開
[ほしのあずさITmedia]

 日本FP協会(東京都港区)が実施した「学校における金融経済教育に関する意識調査」から、学校現場での金融教育の課題として「生徒にとって理解が難しい内容が多い」(54.7%)ことや「教える側の専門知識の不足」(45.3%)が大きいことが分かった。

金融 金融経済教育をするうえで難しいと感じること(日本FP協会調べ)

なぜ? 学校で金融知識に関する取り組みが難しいワケ

 学校での金融教育が難しいのはなぜか? 最も多い意見は「時間的な余裕がない」(58.6%)だった。「知識・情報のアップデートが追いつかない」(39.8%)、「適切な知識・情報をどこから収集すればよいか分からない」(35.7%)との理由も見られた。

金融 金融知識に関する取り組みを行う上で困難なことは?(日本FP協会調べ)

 現在、金融経済教育の内容が「生徒たちに浸透している」と感じている人は52.7%だった(とても浸透している:2.7%、浸透している:10.6%、やや浸透している:39.4%)。

 今後金融経済教育において、学校と外部組織との連携を進めるべきか問うと、約8割が「連携を進めるべき」(そう思う:25.3%、ややそう思う:54.8%)と回答した。

 これから利用を検討している教材の項目にも、「教科書」(40.5%)の次に「外部講師」(38.3%)や「視聴覚教材(ビデオ・DVD)」(34.0%)、「専門機関・業界団体などが提供する教材」(34.0%)がランクインしており、外部組織への期待が高まっている。また過去に連携した外部組織に関しては、半数以上が「経験がない」(53.2%)と答えた。

金融 金融経済教育で、今後利用を検討している教材/利用している教材は?(日本FP協会調べ)

 学校と外部組織の連携を進める理由について、特に多かったのは「高度な専門知識を持った講師の授業が受けられるから」(78.4%)だった。その他「教員の時間的負担が軽減されるから」(47.9%)、「最新の金融情報やトレンドを取り入れた教育ができるから」(43.4%)という声もあった。

 連携して教育を行う外部組織に対して重視することは、6割以上が「依頼料がかからない」(61.3%)ことを挙げた。以降「学校教育の知識がある」(48.6%)、「授業内容を提案してくれる」(48.3%)、「公平・中立的な立場である」(21.6%)と続いた。

金融 金融経済教育を連携して行う外部組織の特徴として重視すること(日本FP協会調べ)

 調査は金融経済教育に携わったことがある全国23〜60歳の教員(小、中、高校)を対象にインターネットで実施した。有効回答数は814件。

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