山善の「焼肉グリル」が49万台を突破 小さくなった最新モデルの開発秘話小型の吸煙ファンを搭載(2/3 ページ)

» 2024年08月22日 05時00分 公開

小型化しても「吸煙パワー」は変わらない

 XGRILLシリーズは、独自のプレート設計を採用している。煙や油ハネの原因となる余分な油を効果的に除去するための、「Xカット構造」と「曲線形状」だ。プレートの裏面は立体的な"X"の形状で、余分な油を効率的に下へ落とす。

 表面は曲線形状となっており、これまで油がたまりやすかったプレートの縁の部分に傾斜をつけることで、より油が下に落ちやすくなるよう改良を加えた。これらの改善の結果、XGRILL STORMは同社の従来のホットプレートと比較して、煙を約85%、油ハネを約70%カットすることに成功した。

photo Xカット構造(プレート裏面)
photo 曲線形状(プレート表面)

 XGRILL STORMの開発過程では、サイズの縮小に伴う問題も浮上した。近藤さんは「最大の課題は、本体が小さくなることでファンを小型化せざるを得ず、風量が落ちてしまうこと。さらに、コンパクトになるほど、空気の流れる場所も制限された」と振り返る。

 風量が低下する中で煙の抑制効果を高めるため、プレートの形状を約4回作り直すなど、試行錯誤を重ねた。当初はプレートに複数の穴を開けていたが、それだと煙が一度下に潜り込んでから上に出てくる問題があった。

photo 「XGRILL STORM」は小型化しても煙の抑制効果を高めるためプレート形状を変更

 穴の数、位置、大きさを調整し、「XGRILL STORM」では穴を中央に1カ所だけにする仕様とした。これにより、煙が下に潜り込まずに上に流れるようになったという。設計には約2カ月を要したが、小型化しながらも、高い吸煙性能を実現した。

photo 「XGRILL STORM」のプレート(表)

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