ヤンマー、ロボットアニメ本格参入に「勝算」があるワケエンタメ×ビジネスを科学する(4/4 ページ)

» 2024年08月23日 15時15分 公開
[滑健作ITmedia]
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「アニメ×商品企画」における未知の領域を開拓できるか

 ヤンマーはどこに勝ち筋を見いだすのだろうか? つまり、オリジナルアニメ『未ル わたしのみらい』に登場するロボットたちがどのような活躍をし、どの市場を開拓するのだろうか?

 これまでの「アニメ×商品企画」の事例は主に、玩具メーカーが作り上げてきたものだ。一方で、ヤンマーは産業機械メーカーである。

 単純にこれまでの事例にあてはめるのならば、アニメ作品内で活躍したロボットないし産業機械を同社の商品として展開し、それらが現実世界の農場で活躍することになる。

実物大ガンダムが歩く時代になった。アニメ作中で活躍した産業機械が商品化されてもおかしくない……?(出所:プレスリリース)

 一昔前であれば一笑に付したところであろうが、今や動く実物大ガンダムを実現させてしまう時代だ。非現実的なことではないだろう。ヤンマーが企画したアニメが人気を博し、それに興味を持った個人あるいは法人が作中で活躍する産業機械を購入する。もしこんなことが実現すれば、「アニメ×商品企画」は新たなステージに進んだことになる。B2CだけでなくB2Bでもこの手法が効果的となれば、ヤンマーに続く企業も現れ、結果アニメというコンテンツも活性化する。

 ヤンマーの挑戦がどのような結果を生むのか、また同社に続く企業も現れるのか。アニメ産業の未来にもつながるこの試みを注視したい。

著者プロフィール:滑 健作(なめら けんさく) 

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 株式会社野村総合研究所にて情報通信産業・サービス産業・コンテンツ産業を対象とした事業戦略・マーケティング戦略立案および実行支援に従事。

 またプロスポーツ・漫画・アニメ・ゲーム・映画など各種エンターテインメント産業に関する講演実績を持つ。

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