もちろん、農林水産省も「輸出を増やすのが喫緊の課題」として力を入れているのだが、なんともパッとしない。この原因は輸送コストが高いなど、さまざまなことが言われているが、根本的なところでは「個人経営の農家が多い」ことが挙げられる。
同省によれば、全国の農業経営体数は約92万9400だが、団体経営体は4万700しかない。圧倒的に個人経営が多い世界だ。「輸入」はもともと煩雑な関税手続きや、海外企業と価格の交渉が必要なので、個人零細企業にはハードルが高い。しかも「農作物」の輸入は、現地の規制当局の審査などもあって、あれやこれやと面倒なのだ。
つまり、日本の米の輸出量が圧倒的に少ないのは、小さな農家があふれているという「規模」がネックとなっており、農業が「家業」のままで、ほとんどビジネス化されていない構造的な問題が大きいのだ。
ここを変えていくには正直、まだウン十年もかかる。その間に世界的な食料危機が起きれば、あっという間に日本人は飢えてしまうだろう。
そこで米の輸出をドカンと増やす「裏技」として業界のみならず、農家にも注目を集めているのが、パックご飯だ。
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