例えば、米の生産から加工・販売までを行う「大潟村あきたこまち生産者協会」の涌井徹会長はこんなことをおっしゃっている。
「海外については、お米そのものを輸出するにはさまざまなハードルがあり簡単にはいかないのですが、パックご飯は比較的輸出がしやすいこともあり、最終的に米を輸出するための戦略商品としても有望な商品だと考えています」(秋田県環日本海交流推進協議会の公式Webサイト)
実際、この言葉を裏付けるように、パックご飯の輸出は右肩上がりで増えている。2023年の輸出数量は1593トンで対前年比+15%となり、直近4年間で輸出額が倍増しているのだ。
そして何よりもパックご飯を日本の戦略商品にすべき理由として、「米よりも売りやすい」ことがある。
先ほども述べたように、米の輸出はいろいろと面倒なところに加えて、輸出先の国での売り方が難しい。世界では米食がそれほど浸透していない人たちが多いからだ。しかし、パックご飯はそのような国でも売りやすい。電子レンジや湯せんであたためるだけなので手軽に食べられる。炊飯器はいらないし、業務用でもいけるし、スーパーのような一般消費者向けの小売もいける。
現在、パックご飯の輸出先は米国、香港、台湾がメインで、韓国、シンガポール、ミャンマーが続いているが、米食がそれほどメジャーではない欧州、アフリカ、南米などに進出も可能なのだ。
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