現場の契約違反、なぜ起きる？ 「社員の理解不足」がリスクに

[サトウナナミ，ITmedia]

　契約業務に携わるビジネス部門の会社員のうち、約6割が「契約違反を自身で経験、もしくは見聞きしたことがある」──そのような結果がSansanによる調査で明らかになった。なぜ違反が発生してしまうのか。

企業の契約実態調査（写真AC）

契約違反はなぜ起きる？

　契約違反を自身の担当案件で経験、もしくは契約違反を見聞きしたことが「ある」とした人は59.8％に上った。契約違反の内容については、「契約で定めた納期を守れなかった」が最も多く60.2％。次いで「契約で定めた品質基準を満たさなかった」（49.3％）と続いた。また、違反1件当たりの金銭的損失の平均は「511万円」だった。

契約違反を経験、もしくは契約違反を見聞きしたことがあるか（Sansan調べ）

契約違反の内容（Sansan調べ）

　契約違反の要因については、45.1％が「社内の情報共有が不足していた」と回答。次に多かったのは「契約内容を理解していなかった」（39.0％）だった。契約内容の把握・確認不足が多くの違反の要因だとうかがえる結果になった。

契約違反の要因（Sansan調べ）

　社員はどのような場面で契約を確認しているのか。最も多かったのは「契約更新時」で45.3％。その他「プロジェクト開始時」（45.0％）、「トラブル発生時」（36.7％）が上位となった。上位3項目以外の項目は35％以下にとどまる結果となり、日頃の業務の中でほとんど契約を確認していない実態が明らかになった。

どのような場面で契約を確認しているか（Sansan調べ）

　調査は7月29日〜8月1日にインターネットで実施。契約業務に携わるビジネス部門の社員600人から回答を得た。