資金面での逼迫(ひっぱく)も深刻だった。創業から6期連続の赤字が続き、ファミマとの取引が始まった2年目でさえ、設備投資負担から資金繰りは厳しく、毎月末の支払いに頭を悩ませたという。
しかし、これらの困難を乗り越えた同社は、2022年5月〜23年4月までの1年間で売り上げ18億円を達成。2023年5月〜10月までの半年間で13億2314万円を記録するなど、年商20億円を超える勢いで成長している。
業界全体が苦戦したコロナ禍においても、成長を維持した。同社は「外出自粛で自宅での飲料水需要が増加し、2リットル製品の販売が伸びた」と分析する。
さらに、近年の気候変動に伴う災害増加も需要を後押ししている。「異常気象や自然災害が増えたことで、非常時の備蓄需要も高まっている。2リットル製品市場には追い風が吹いている」
売り上げが伸びていく中で、安曇野ミネラルウォーターは第2工場を建設する。第1工場の生産能力は1分間に150本だが、第2工場では250〜300本と、ほぼ倍増する。新井氏は「生産のキャパシティーから需要に十分応えられていない状況が続いていたが、新工場の稼働により安定供給体制が整う」と期待を寄せる。
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