市場規模が伸び続けるミネラルウオーター業界において、2リットル製品のみに注力する企業がある。長野県安曇野市に本社を置く「安曇野ミネラルウォーター」だ。創業当初は赤字に苦しみながらも、独自戦略でポジションを築き、2024年10月には25億円を投じた新工場も稼働する。同社はなぜ、2リットルにこだわったのか。これまでの道のりと今後について代表の新井泰憲氏に聞いた。
ミネラルウオーター業界では、長らく500ミリリットル製品が主流となっていた。背景には輸送効率と売価の問題がある。例えば、同じスペースなら500ミリリットルが24本積載できるのに対し、2リットルではわずか6本だ。にもかかわらず、売価はほぼ同じため、多くのメーカーは利益の見込める500ミリリットル製品に注力してきた。
業界の常識に逆行するような戦略を選択したことについて、新井氏は「2リットル製品から撤退する企業もありチャンスと感じた」と説明する。
さらに、同社の躍進に大きく寄与したのが、2014年から始まったファミリーマートのPB商品の製造だ。当時、ファミマは東日本大震災を機に、社会的インフラとして水の安定供給を目指し、新たな調達先を探していたという。
そこで、津南(新潟県)と霧島(宮崎県)に次ぐ商品として、創業間もない安曇野ミネラルウォーターが選択肢のひとつとなった。
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