9月30日発売の週刊少年ジャンプで、人気漫画『呪術廻戦』は最終回を迎える。同作は今後も舞台化を含むメディア展開を多く予定しており、コンテンツとしての息はまだまだ長く続きそうだ。
一方で、アニメや漫画作品の実写化には多くのリスクが伴うことも事実である。これまで数多くのプロジェクトが“炎上”を経験してきた。キャスティングの失敗やストーリー改変が主な要因だ。本稿では呪術廻戦を含む成功事例をもとに、炎上しない実写化の条件について考えてみたい。
実写化で炎上しやすい要素としては、役者のキャスティングがまず挙げられる。原作が人気であるほど、ファンのキャラクターに対する期待は高い。それを裏切るキャスティングは炎上の原因となる。
例えば劇場版『進撃の巨人』や『デスノート Light up the NEW world』など、多くの実写化作品がキャスティングにミスマッチがあるとして大きな批判を受けた。
ところが、呪術廻戦の舞台版でミゲル役を演じるジョエル・ショウヘイ氏の例はそれらの失敗例に含まれないといえそうだ。
ジョエル氏は、知名度が低いながらもキャラクターのビジュアルや雰囲気を忠実に再現し、多くのファンから好意的に(そして、あまりの再現度の高さに驚きをもって)受け入れられた。このことから、キャラクターにおける再現度の高さが、役者の知名度を上回る重要な要素であることは明確といえる。
別作品でもう1つ挙げると、漫画『ゴールデンカムイ』の実写映画も成功例といえる。監督の久保茂昭氏は作品の大ファンであり、オーディションで俳優にキャラクターへの愛を語らせ、役に合ったキャストを選び抜いた。ここで重要なのは、キャストが作品やキャラクターに対してどれだけの愛情を持っているかも、ファンからの支持に直結するという点だ。
実写化を成功させるには、キャストや制作陣が作品を深く理解し、キャラクターへの愛情を持っていることが不可欠だ。単に見た目が似ているだけではなく、演技力やキャラクターの内面をどれだけ深く理解しているかについても、お金を落とすファンは厳しく見ている。
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