PayPayはなぜ「当たり!」だけに頼らないのか? QRコード決済を超えた、意外な一手「ポイント経済圏」定点観測(1/5 ページ)

» 2024年10月01日 08時31分 公開
[斎藤健二ITmedia]

 「当たり!」

 スマートフォンの画面に表示されたスクラッチくじを指でこすると、即座にポイント獲得の通知が。買い物の余韻が冷めないうちに、次の買い物への期待が膨らむ――。

 これはクレジットカード業界に新たな風を吹き込む、PayPayカードのキャンペーンだ。

クレカ業界に新たな風を吹き込んだキャンペーン(出典:PayPayカード提供、以下同)

 従来のクレカキャンペーンといえば、数カ月後の明細で還元額を確認するのが常だった。しかし、一部のカード会社では、この常識を覆す取り組みが始まっている。

 「決済と同時にくじが引けるのは、非常に大きな意味があります」

 PayPayカード 執行役員 マーケティング本部長の大島薫氏は、リアルタイム性の重要性をこう強調する。同社が展開する「PayPayカードスクラッチくじ」は、業界に先駆けてDXを推進した結果生まれた、画期的なキャンペーンといえるだろう。

PayPayの戦略は「QRコード決済」のみだけではないようで

 なぜ、PayPayカードはキャンペーンのDXに積極的に取り組むのか。その背景にはリアルタイム性がもたらす効果と、PayPayが意外にもプラスチックカードを推進する意図も関係していた。

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