同社ではパンカテゴリーが好調だ。これまでの商品では、「生コッペパン」が累計1億8000万食、「中までおいしいメロンパン」が累計4300万食を突破(いずれも2024年8月時点)。商品本部 FF・スイーツ部 ベーカリー・チルド飲料・アイスグループの鈴木崇義氏は「2023年度は、比較可能な過去10年間の中で最大の売り上げを記録することができた」と話す。
そんな中、新たにスイーツパンを発売する狙いとは何か。同社が着目したのが、自分の行動や購入商品が自分自身のためになっている(=ウェルビーイングな状態になっている)ことを意識する「ウェルビーイング・パフォーマンス(ウェルパ)」と呼ばれる消費トレンドだ。「『近くのコンビニですぐに手に入る』『安くてちゃんとおいしい』といった要素に加えて、『満足感』『ぜいたく感』『ご褒美感』が望まれていると考えている」(鈴木氏)
こうした需要に応えるに当たり、同社は約7000人の消費者に実施した、ファミマへの来店動機に関する調査に着目。1位が「おむすび」で、2位以下が「パン」「デザート」と続いていたことから、上位に挙がった「パン」と「デザート」を組みあわせたシリーズを考案した。
価格の面でも、ファミマのスイーツラインの平均価格が245.9円なのに対し、185円というパンと同等のゾーンに設定。コスパも包摂した満足感を意識したという。
鈴木氏は「『パンとしてお腹も満たしつつ、甘いものも食べたい』という需要を満たす商品は、これからも積極的に開発していきたい」と話す。7月にも昭和レトロの雰囲気を取り入れたシリーズ「喫茶ファミマ」を発売するなど、スイーツに力を入れるファミマ。今回のスイーツパンシリーズで、新たなカテゴリーを確立できるか。
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