ここ数年、販売数は順調に推移している。2023年度の年間販売数は45万食に達し、10年前と比較すると3倍、コロナ禍前と比較しても2.5倍の成長を遂げた。「販路を拡大したことで販売数が伸びた」と、弁当ブランド戦略チームの湯原博之さんは語る。
従来の駅弁販売店に加え、同社が運営する駅構内のコンビニエンスストア「ニューデイズ」でも取り扱いを開始したほか、2023年4月に吸収合併した日本ばし大増のブランド力を生かし、百貨店での販売も強化した。販路の拡大にともないチキン弁当の製造拠点も統合、集約し、大規模な改修で最新設備を整えて製造している。
チキン弁当が60年間愛され続けている要因として、「冷めてもおいしい」というコンセプトのもとメニューを大きく変えていないことが挙げられる。加えて、当時は高価な部類だった価格も、現在は900円と比較的手頃な設定となっている点も見逃せない。
「当社が運営する東京駅の『駅弁屋 祭』で販売する駅弁の平均価格は1300円だが、チキン弁当は900円で提供し続けている」(湯原さん)
価格と品質を維持するため、同社はさまざまな工夫を重ねている。食材や原材料の値上がりに対応するため、調達先の見直しや配合の調整を行うなど、伝統の味を守りながら価格据え置きを実現している。
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