2024年11月より施行される「フリーランス新法」は、フリーランスが安心して働ける環境の整備などを目的としたものだ。この新法について「理解している」人は2割にとどまることが、GMOクリエイターズネットワークによる調査で分かった。フリーランスがこれまでに経験したトラブルとは。
フリーランス新法について、「名前を聞いたことがある」とした人は56.7%だった。一方で、「制度の内容も知っている」とした人は17.0%にとどまり、26.3%は「知らない」と回答。新法の施行まで1カ月を切る中、制度内容の理解度は低いことが明らかになった。
「制度の内容も知っている」とした人のうち、フリーランス新法がフリーランスの働き方に良い影響を与えると思う人は、76.7%に上った。内訳は「思う」が20.5%、「どちらかといえば思う」が56.2%。
回答者からは「法的に明文化されることで、取引で理不尽な目にあう可能性は低くなると思う」(30代、デザイナー)、「クライアントとのトラブルに対する指針となる」(40 代、カメラマン・映像クリエイター・イラストレーター)といった回答が寄せられた。
一方で、「手間が増えるだけではないかと感じる」(40代、ITエンジニア)、「クライアントが積極的に新法を守る意識を持たなければ意味がない」(40代、その他)といった意見も見られた。
フリーランスとして働く中で、クライアントとの契約や取引でトラブルにあったことが「ある」人は36.7%だった。具体的なトラブルの内容については、「報酬の未払い・遅延が生じた」が最も多く、62.0%に上った。次いで、「契約時と異なる条件で案件が進行した」(43.0%)、「作業途中でキャンセルされた」(31.0%)と続いた。
クライアントとのトラブルを回避するために日頃から心がけていることについては、「コミュニケーションを取る」が最も多く、61.2%。その他、「仕事を受けるかどうか慎重に検討」(56.7%)、「事前に契約書を確認」(46.7%)といった回答が上位だった。一方で、「トラブルになる前に専門家に相談」は10.7%にとどまった。
調査は9月27日〜10月3日にインターネットで実施。同社の運営する金融支援サービスに登録しているユーザーから回答を得た。有効回答数は430件。
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