フリーランス新法、7割が「知らない」 トラブルの内容1位は?

» 2024年10月29日 10時40分 公開
[小松恋ITmedia]

 フリーランスのITエンジニアのうち、約6割が取引先とのトラブル経験がある。それにもかかわらず、フリーランス新法を知らない人は約7割に上る──そんな実態が、ITフリーランスのエージェント事業を展開するPE-BANK(東京都港区)の調査で明らかになった。

フリーランス新法についての実態調査(写真提供:ゲッティイメージズ)

トラブルの内容3位「追加修正の無償対応」、2位「不当な減額交渉」 1位は?

 取引先が原因でトラブルが起きた経験があるかを聞くと、11.7%が「よくある」、47.2%が「たまにある」と回答。58.9%の人がトラブルを経験していることが明らかとなった。

 取引先と契約書を取り交わしているかについて「必ず交わしている」と回答した人は、28.1%にとどまった。

 取引先が原因でトラブルを経験した人に内容を尋ねると、1位は「報酬の支払い遅延や不払い」(49.1%)、2位は「不当な減額交渉」(40.4%)、3位は「追加修正の無償対応」(31.6%)と、金銭的なトラブルが多い傾向が見られた。

トラブル内容について

 フリーランス新法について聞くと「あまり知らない」が32.8%、「全く知らない」が36.9%と、約7割がフリーランス新法について理解していない状況だ。

 フリーランス新法について知っていると回答した人に、理解度を尋ねた。「全て理解している」と回答した人は16.5%で、フリーランスのITエンジニアには理解が浸透していない現状が明らかになった。

施行内容で最も評価する項目は?

 施行内容で最も評価する項目は「報酬支払期日の設定と期日内の支払いの徹底」(63.3%)。次いで「書面などによる取引条件の明示」(60.6%)、「禁止行為の是正」(46.8%)となり、金銭トラブルを解決する項目が高く評価された。

フリーランス新法における発注者側の義務に対し何を一番評価するかについて

 フリーランス新法について知っていると回答した人に、フリーランス新法施行により、発注者とトラブルなく、より円滑な取引ができるようになると思うかを尋ねた。「あまりそう思わない」(28.4%)、「全く思わない」(6.4%)と、3人に1人が新法施行されても、取引が改善されると思っていないようだ。

 新法が施行されても取引が改善されると思わない理由は「新法で定められても立場が弱く、不当性を感じても取引先に打診できるか不安」(57.9%)が最も多く、次いで「企業側が新法について理解浸透するのかが不安」(47.4%)となった。

 調査はフリーランスのITエンジニア360人を対象に、インターネットで実施した。調査期間は8月10〜18日。

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