夏に90万枚も売れた「アセドロン」、今度は冬の“汗冷え”をドロン! グンゼだからできることがある機能性ばかり訴えない(4/4 ページ)

» 2024年11月14日 08時50分 公開
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今後の展望と課題

 アセドロンシリーズの展開は、グンゼの商品開発のあり方そのものも変えつつある。「これまではプロダクトやエビデンス重視で、数値的な部分を追求する傾向にあった。アセドロンを展開してからは、ユーザーからの声にどう応えるかという視点が加わった」と藤本氏は説明する。

photo パジャマも展開する

 一方で、ここ数年目立つ「暑さの長期化」は、ファイヤーアセドロンに限らず秋冬商品の位置付けに影響を与えている。「冬は必ず来るが、長い夏への対応は課題。商品の打ち出し方や、シーズンをどう考えるかなど、工夫が必要」と藤本氏は語る。

photo 春に発売した「アセドロン」

 近年のアパレル業界は、機能性の訴求を重視する傾向にある中、同社は肌着本来の役割に立ち返った。その結果が「汗」という年間を通して発生する悩みへの着目だった。「インナーウェアメーカーとして、肌に一番近い商品をつくる私たちだからこそできることがある」と日和氏は語る。

 春夏商品の成功を足がかりに、冬市場でも独自のポジションを確立しようとするグンゼ。来年も商品の進化は続き、市場の声を生かしながら、春夏の新商品開発も進めている。年内100万枚到達を視野に入れるアセドロンは、冬のインナーウェア市場に「防汗」という新たな価値を提案できるか。

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