プレーしたことのある読者であれば理解できることだが、イニシャルコストで入手する構築デッキは遊びの幅が狭く、また対戦における強度も”それなり”に留まりがちである。
遊びの幅を広げて楽しむためには、狙ったカードが出るまで5枚180円の拡張パックを購入し続けるか、カードの二次流通ショップで購入するしかない。これもTCGの障壁である。
ルールの複雑さも大きな障壁の一つだ。TCGは往々にして、開始当初はシンプルなルールでも、戦略性を追求するたびに新たな効果を持つカードが現れ、時が経てばゲーム全体が高度かつ複雑になる。
ポケカは他のTCGと比べて低い年齢層も対象にしているため、比較的簡素なルール・レギュレーションではあるが、新たに始める人にとっては障壁となっていることは間違いない。
そして最後が遊び相手の確保である。これはTCGに限らず、古来からある囲碁や将棋などテーブルゲーム全般の課題であり、新たに始める際の障壁になり続けている。
娯楽の種類が少なかった時代であればいざ知らず、現代では子ども向け・中高生向けの娯楽が溢れんばかりに存在する。その中で自らと同じ趣味思考を持ち、同じ娯楽を楽しむ仲間を見つけることそのものが、一昔前に比べて困難になった。
小学生ですらインターネット上で共通の趣味を持つ友人を見つけ、マルチプレーゲームを行う時代において、アナログがベースのTCGは相対的に遊ぶハードルが高くなっているのである。
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