なぜイーロン・マスクはトランプに「近づいた」のか 背後にある“ビジネスの賢さ”世界を読み解くニュース・サロン(1/4 ページ)

» 2024年11月22日 07時07分 公開
[山田敏弘ITmedia]

 11月5日、世界で大注目の米国大統領選挙が実施された。結果は、大方の予想に反してドナルド・トランプ前大統領の圧勝。2025年1月20日に、第47代の米国大統領に就任することになる。

 今回の選挙でキーパーソンとなったのは、何といっても実業家のイーロン・マスク氏である。2024年7月13日に東部の激戦州だったペンシルベニア州でトランプ氏が暗殺未遂事件に見舞われた直後、マスク氏はトランプ氏を支援するとXで宣言。そこから勝利まで、全力でトランプ大統領復活に向けて後押しをし、1億3000万ドル(約200億円)を投資した。

ニューヨークのタイムズスクエア。大統領選挙トランプ対ハリスのライブオッズ(画像提供:ゲッティイメージズ)

 そんなマスク氏の熱意に、トランプ氏もすっかり「取り込まれて」しまった。大統領選勝利宣言のスピーチでもマスク氏について「スターが生まれた」と語り、その後もほぼ毎日のようにマスク氏と密に付き合っている。次期政府の閣僚指名にもマスク氏が関わっている。

 世界一の富豪に上り詰めた百戦錬磨のビジネスマンであるイーロン・マスク氏には、何らかの狙いがあるはずだ。その狙いは一体どこにあるのか。

『イーロン・マスク 上』ウォルター・アイザックソン著、井口耕二訳、文藝春秋

 これまでマスク氏の言動をウォッチしてきた筆者から見ると、今回の彼の動きは全てビジネスのために思える。ならばマスク氏は、トランプ氏のそばで影響力を行使することで、どんなビジネス的な利益を得るのだろうか。

       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

SaaS最新情報 by ITセレクトPR
あなたにおすすめの記事PR