本稿を執筆するに当たり、セブン・ファミマ・ローソンに「今秋冬シーズンにおけるおでんの展開」について質問すると、回答の趣旨は一致していた。いわく「おでんの展開は各店舗の事情による。具体的な店舗数は公表していない」という。
別に都合が悪いことを隠しているわけではない。コンビニ各社は「おでんをやるかやらないかは、商圏の特性を踏まえて各店が決める。個別の商品に関して、店舗数の公表をしない」という、当たり前のことを述べているに過ぎない。
コロナ禍で、一時的におでんをほぼ販売しなくなった経緯については、次のような回答があった。
「あえておでんの展開を自粛していたのではない。お客さまやスタッフの衛生環境への意識が高まったことから、以前までは全店でおでんの展開を推奨していたのが、店舗の選択制へと変更になったことで、展開店舗数が変化した経緯がある」(ファミリーマート)
「おでんはお客さまの注文を聞いて、鍋から取る販売方法のため、コロナ禍は衛生面を気にされるお客さまもいらっしゃり、販売を控える店舗があった。レジ横でのおでんの展開店舗は減少傾向だ」(ローソン)
一方「詳細な数字公開は控えさせていただくが、多くの店で実施いただいている」(セブン‐イレブン)との回答もあった。
さらに、ローソンではコロナ禍に、できたての商品へのニーズが高まったことを受けて、店内のキッチンで調理を行う「まちかど厨房」を拡大。現在は全国の店舗で展開と、おでんと入れ替わるシフトチェンジを行った。
なおローソンでは、おでんの購入層は男性が4割、女性が6割で、女性がやや多い。時間帯は午後4〜7時によく売れ、お酒、日配総菜、サラダなどを一緒に購入するケースが多いという。
ファミリーマートでは、主に女性客に支持されている。20代の購入が最も多く、40代、50代の順となっている。3〜4個と複数買いが多く、「ファミチキ」や「おむすび」などと一緒に購入するケースが見られる。
新たな顧客獲得の工夫として、セブン‐イレブンでは9月から、インバウンドからおでんが好評な点を受けて、メニューボードにローマ字表記を入れた。
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コンビニおでん「無断発注」「販売中止」問題が暴く画一的ビジネスの限界Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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