とはいえ伸びしろの大きいドラッグストアとスーパーを今後も開拓する方針だ。特に地域を限定せず、全国で営業活動を行っていく。
「販促物を付けるほか、当社のイメージカラーである黄色のプライスカードを使ってもらうことで、店内での視認性を高める施策を行っています。また、複数種類の商品を並べることで目立つようにもしています」(担当者)
地方ではコンビニよりもドラッグストアの方が存在感が大きく、開拓できれば認知度が高まり、主な収入源である自社ECの売り上げも伸びていくことだろう。広告宣伝では、継続してテレビCMを打ちながら、デジタル広告も強化していく方針だ。商品構成の幅も広げる。
「ベースフードは『主食をイノベーションし、健康をあたりまえに。』をミッションにしています。新商品を発売するとECの解約率が低下する効果もあり、現在はパンが主力ですが、ミッションに従って今後はカップ麺などのジャンルも開拓したいですね」(同)
これまでは投資のため赤字が続いてきたが、今期は黒字化を目標に掲げ、来期以降も黒字を維持しつつ売り上げを伸ばす考えだ。とはいえ、完全栄養食に関する話題は以前ほど聞かれなくなり、追い風は収まったとみられる。
栄養成分は異なるが、1983年に大塚製薬が「栄養調整食品」として発売したカロリーメイトは今や、コンビニやスーパー、ドラッグストアなどさまざまな小売店で必ずといっていいほど見かける。ベースフードも第ニのカロリーメイトのような存在になるのだろうか、今後の成長に注目が集まる。
山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
カビ騒動で「株価30%超下落」から半年……ベースフードはなぜ今“急成長”しているのかCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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