「世界なんて知るか! そもそもオレの職場でパーカーを着るような非常識なおっさんなんて1人もいないぞ!」というお叱りも飛んできそうだが、それもごもっともな指摘だ。
ビジネスシーンでの常識やファッションセンスなんてものは、「一般論」で語られるものではなく、業種・業界で大きく変わる。つまり、これまで紹介してきたような「テック業界でのパーカーおじさん」と、妹尾氏が批判した「広告代理店のパーカーおじさん」では、その意味するところ、周囲の受け取り方が全く違うのである。
分かりやすいのは、労働政策研究・研修機構が実施している調査だ。
2024年8月の調査によると、さまざまな業界でドレスコードを廃止し、「服装や髪形はカジュアル化」が進んでいるという。その一例を引用しよう。
【電機】のA社では服装について、コミュニケーションの活性化や柔軟なアイデアの創出、健康意識・ウェルビーイング向上を目的とし、TPOに合わせて自身で判断する取り組みを導入した。その結果、「業務外も含めたコミュニケーションの機会創出、快適さの向上による仕事の効率向上等のプラスの効果が見られている」という。
【コンビニ】の業界団体モニターによると、会員企業の中には、服装をカジュアル化したうえで、来客・訪問等は各自の判断での対応としている企業が複数ある。その結果として「発想が自由になる」「職場内が明るくなった」などの声もあり、特に若い職員から好評を博している。
このような事例だけを見れば、「そっか、発想が自由になるなら、うちもザッカーバーグみたいなパーカー出社もアリにするか」と思ってしまう人もいるかもしれない。しかし、「オフィスカジュアル」の線引きも多種多様だ。
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