経営・組織コンサルティングを展開する識学(東京都品川区)が2024年2月、20〜50代のビジネスパーソンを対象に「職場の服装に関する調査」を行った。「職場の服装についてどこまで許容できるか」と質問したところ、「スーツではない服装」までは66.0%がセーフとしながらも、「柄アリの半袖Tシャツ」は25.0%、「パーカー」は21.7%にとどまった。
つまり、テック業界など業種を限定せず、「ビジネスパーソン」という大きなくくりで調査をすれば、「ジジイがパーカー着てフラフラすんな」という妹尾氏の主張のほうが「ビジネスの常識」だ。
結局のところ「職場のパーカーおじさん」はセーフかアウトかという議論は、「業種・業界、その企業のカルチャーによる」という結論にしかならないのだ。
われわれは、どうしても複雑な議論を単純な話にしてしまいがちだ。なぜかというと、「こっちは正義で、あっちは悪」のような単純明快なストーリーのほうが聞いていて気持ちがいいし、感情移入しやすいからだ。
特に人々がのめり込むのが、「自分と思想・価値観の異なる他者を攻撃する」コンテンツだ。SNSでも「パーカーおじさんはキモい」「おじさんのパーカーを否定するような女は心が狭い」などシンプルなののしり合いのほうがバズる。
ネットニュースも多くの読者に読んでもらって、ビジネスを安定的に維持していくには、どうしてもそっちへ誘導せざるを得ない。
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