田舎の普通の定食屋がなぜか混んでいるワケもうけのカラクリ(2/3 ページ)

» 2024年12月19日 08時00分 公開
[菅原由一ITmedia]

地の利を生かす低コスト運営

 ただ、地方は人や企業が少ない分だけ都市部よりも競合が少なくなります。市場が縮小しても、飲食のように生活と密着する需要がゼロになることもありません。

 そのため、定食店のような生活密着型の小規模な事業は成り立ちます。地方に行くほど店が減り、中食ニーズに応えるコンビニの数も減るため、商圏内の飲食市場がブルーオーシャンになりやすいのです。

 経営面では、店の運営コストが低いことがポイントです。小さな市場は収益が少なくなるため、その中で生き残っていくためには店舗のランニングコストを抑えることが重要です。

地方は低コスト運営が可能(出所:『タピオカ屋はどこへいったのか? 商売の始め方と儲け方がわかるビジネスのカラクリ』以下同)

 例えば、人件費や家賃などのコストをいかに安くできるかが重要で、それらが安いほど利益は残りやすくなります。

 定食店は、大体2〜3人の店員で切り盛りしていますので人件費の総額は安いはずです。労働単価についても、各都道府県の最低賃金(厚生労働省)を見ると、東京周辺、大阪、愛知などでは1000円を超えていますが、地方は1割ほど安い900円前後が中心です。

 店舗の賃料も都市部と比べて大幅に安いですし、店舗兼住宅の持ち家である場合はさらにコストが安くできます。これらは地方の店の優位性です。

 さらに、近隣に競合が少なければ店舗改装の必要性も低くなり、そのための費用も最低限に抑えられるでしょう。

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