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日本HP社長に聞く「2024年はどんな1年だった?」 AI PCの行く先

» 2024年12月28日 05時00分 公開
[今野大一ITmedia]

 生成AIをPC本体に組み込んで性能を向上させたAI内蔵PC(AI PC)が、広がりを見せている。PCや周辺機器などを扱う米HPは、AI搭載の個人向けPC「OmniBook」を、法人向けには「EliteBook」を販売するなど、積極的に製品にAIを取り込む。

 IDC Japanの調査で、国内PC市場におけるブランド別シェアで2年連続首位を獲得したのが日本HPだ。岡戸伸樹社長は2024年年初の事業戦略記者説明会で「2024年はAI PC元年になる」と宣言していた。岡戸社長に2024年のAI PCについて振り返ってもらった。

岡戸伸樹(おかど・のぶき)。日本HP 代表取締役 社長執行役員。2003年に日本ヒューレット・パッカードに入社。エンタープライズ事業を経て、2009年にパーソナルシステムズ事業に異動した。2015年の分社以降、日本HPでEコマース、個人向けPC、デジタル印刷などの戦略分野を担当し、各事業の成長をリード。2019年より常務執行役員 デジタルプレス事業本部長を務め、商業・産業印刷のデジタル化を推進した。2021年11月、日本HP社長に就任(撮影:武田信晃)

AI市場の盛り上がりを体感 渋谷で得た「驚きの声」

――社長がおっしゃられていた通り2024年は「AI PC元年」だったかと思います。2024年は日本HPにとってどんな年でしたか。

 2024年5月にはChatGPT-4oが出てきました。AIが市民権を得たと言ったら変かもしれませんが、やはり非常にAIの市場が盛り上がりを見せた1年だったと思います。当社もAI PCをローンチできて、非常に好評をいただいています。その意味で非常にいいスタートが切れている状況です。

岡戸社長の自宅デスク(本人提供)

――AI PCはメディアでもかなり取り上げられました。AI PCに対する顧客の反応や需要をどう感じていますか。

 AIに対する関心は非常に高いと感じています。実は当社も東京都渋谷で1カ月間、AIが体験できるポップアップストアを展開し「HPのAI PCで、なりたい自分を、起動しよう。」というメッセージを発信しました。

 AI PCの機能や性能などを使い、通常ではできなかったクリエイターのような仕事ができるようになるといったことが体験できるスペースを作ったのです。

 渋谷という立地もあって比較的若い世代の方々が多く来場されていたのですが、テクノロジーへの感度は高かったですね。 AIについてはよく知っている方が多い一方、実際にAI PCをリアルに体験していただくと「こんなことできるんだ」と実感していただくことが多かったです。

 目に見える形でAI PCへの反応が非常に増えているので、これから先も明るい未来といいますか、「AI PCの市場が大きな成長を見せる」という手応えを感じています。

編集部より:1月初旬に実施する「2025年 新春トップインタビュー 〜AI革新企業に問う〜」では、岡戸社長に2025年のPC業界の動きや「AI PC戦国時代」における差別化戦略などを語っていただきます。お見逃しなく!

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