ラッキーバッグは、2種類合わせて5万5000個を用意。従来のアンド バイ ロムアンドのターゲット層である10〜20代(Z世代)に向けて訴求する。また、かわいらしいパッケージにすることで、クリスマスシーズンや年末年始の帰省を想定し、恋人や家族への“プレゼント需要”も狙った。
狙いは成功しているようだ。購入者における男性の割合は、通常のティントでは約1割。一方、福袋の購入者では約2割に上っている。「販売自体もクリスマスやその直前の土日で伸長しているので、いつもコンビニにいらっしゃる方が、帰宅前のプレゼントに買ってくださったのかなと思います」と加藤氏は話す。“特別感”のあるパッケージとコンビニ自体の利便性も相まって、身近な店で気軽に買えるプレゼントとしての需要をしっかりと獲得しているようだ。
購買層のボリュームになっているのはターゲット層の10〜20代だが、ローソン広報部の持丸憲氏は「それ以外の層にも刺さっているという実感があります」と話す。
「コンビニは幅広い年代のお客さまがいらっしゃるので、10〜20代以外の世代にも届けたいと考えています。『創業祭福袋』の好調をきっかけに、幅広い年代のお客さまにリーチする上で、福袋は1つの手段なんだなと気付いた形ですね」(持丸氏)
コロナ禍をきっかけに、これまで遠出して買っていた日用品なども「コンビニで済ませたい」とする人は増加した。こうした事情やブランド自体の訴求力もあり、アンド バイ ロムアンドにおいて「目的買い」の購入者は多い。
しかし、加藤氏によれば、もともとコンビニ化粧品の売れ筋は旅行用パックなどの「緊急性が高いアイテム」。「目的買い」が多いアンド バイ ロムアンドでも、単品で一番売れる商品はアイブロウ(眉毛を描くためのメークアイテム)だという。
「『眉毛がないと外に出られない』という人は多く、緊急性が高いからです。今回のラッキーバッグのラインアップは、アイブロウのように緊急性が高いといった理由がなくても、魅力を感じて買ってもらえるアイテムを増やしたいという狙いもあります」(加藤氏)
緊急時の需要はこれまで通りに取り込みながら、強みであるリップなどの“カラー物”で「目的買い」の来店客を集め、ブランドを育てていきたい――そう加藤氏は話す。
「今回のような企画品や限定品をコンスタントに発売することで、『これがあるからローソンに行こう』という流れももっと増やしていきたいです」(加藤氏)
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