まずはこれまでの真・三國無双シリーズを振り返りたい。初代の『真・三國無双』から『真・三國無双4』にかけては、グラフィックやアクションの進化を遂げながらシリーズの人気を確立した時期といえる。その中で特に2つ、取り上げたい要素がある。「一騎討ち」と「立志モード」だ。
「一騎討ち」システムは『真・三國無双3』で導入されたものであり、日本で人気を博している小説版・漫画版の三国志で描かれている英雄同士の一対一の戦いをゲーム内で再現したものである。
通常戦闘中に関羽や張飛、呂布といった猛将と接敵し、選択すると時間制限付きの一騎討ちモードに入るという形式だ。余談だが、特に呂布は小説・漫画での「猛将ぶり」が再現されていたのも特徴だ。生半可な装備では、一度操作を誤ると即ゲームオーバー、昨今の“死にゲー”といわれるジャンルに勝るとも劣らない難易度だった。
もう一つの「立志モード」は『真・三國無双4 猛将伝』で導入されたサブモードだ。プレーヤーが作成したオリジナルの武将を操作し、所属する勢力を選択しながら三国志の世界を追体験することができる。
RPG的要素を取り入れたこのモードは、サブモードであるにもかかわらず人気を博した。この2つの要素はいずれも以降のバージョンには継承されなかったが、後述するが今回の最新作で復活することになる。
『真・三國無双6』では、プレイヤーの自由度をさらに高める改革が行われた。それまで武将ごとに固定されていた武器を、自由に選択できるようになったのである。この変更により、好みの武将と武器の組み合わせで遊べるようになり「強力な武器のために好きじゃないキャラを使わざるを得ない」といった類の制約がなくなった。
また、『真・三國無双4』以降の時期はアクションゲームに加え、「タクティカルアクション」に関する試みも行われている。
真・三國無双シリーズを発売するコーエーテクモゲームスといえば、『三國志』シリーズ、『信長の野望』など歴史戦略ゲームの大家である。それらのゲームで重要となる城・拠点・友軍の概念を真・三國無双シリーズにも取り入れ、プレーヤーが一人で全てを解決するのではなく、友軍と共に城や拠点を確保しながら進軍することが重要になるゲームへと変わっていった。
シリーズ最大の挑戦といえるのが『真・三國無双8』で導入されたオープンワールドシステムだ。三国志の舞台、魏・呉・蜀およびその周辺エリアを再現した広大なマップでの体験は、戦闘ごとのクローズドなマップが舞台であった過去作と全く異なるものであり、三国志の世界への没入感を大きく高めたといえるだろう。ただ、本シリーズには従来の形態を好むファンも多く、この大胆な変更は賛否両論を呼ぶこととなった。
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