ファンが沸いたプレリュードとロードスター、ホンダとマツダの“次の一手”は?高根英幸 「クルマのミライ」(5/5 ページ)

» 2025年01月17日 06時00分 公開
[高根英幸ITmedia]
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オートサロンのブランドは海外でも通用するように

 洗車好きは一定数存在するが、共働きが増えたこともあって、休日に洗車を家族で楽しむようなユーザーは減っている。その代わりディーラーやカークリーニング業者にガラスコーティングをしてもらい、自分は時々洗車機で洗うという時短派ユーザーが増えている。

 つまり高級な洗車用品を使って、たっぷり時間と水を費やして洗車を楽しむようなユーザーは、それほど増えてはいないようだ。

 また最近は実店舗や通販だけでなく、クラウドファンディングで洗車用品の新商品を購入するなど、購入経路も多様化しつつある。ディテーリングビジネス(自動車の清掃・修復などを提供するサービス)自体はまだ拡大傾向にあるだろうが、洗車用品はそろそろ飽和状態になってきたと言えそうだ。

 もちろんこれらは会場内を歩いてつかんだ感触であり、隅から隅まで完璧にチェックできているわけではないから、筆者と異なる印象を抱いた人もいるかもしれない。

旧車も相変わらずの人気の高さを感じた。写真は歴代のスカイラインGT-R、それも新車以上のコンディションの個体をずらりと並べた専門店クラフトスポーツのブース

 そもそもオートサロンでは、出展を希望する企業の要望が全てかなっているわけではないのだ。毎年、出展する企業の多くは抽選に参加しており、当選しなければ出展さえできない高倍率ぶりなのである。

 しかも巨大な幕張メッセという箱をすでに目いっぱい使っている状態なので、これ以上の会場面積の拡大は望めそうもない。

 また自動車整備士学校の生徒たちの卒業制作を披露する場所としても、オートサロンは欠かせないイベントになっている。今年もユニークなカスタム、入念にレストアされたクルマが並べられていた。

今年も自動車整備士学校の生徒たちはユニークなカスタムカーを展示。こちらはジムニーのシャーシに軽トラのキャリィのキャブを載せ、ボディを自作して日野レンジャーのパリダカ仕様に仕立て上げたもの。特徴をうまく再現して、軽らしいかわいさとマッチさせている

 2025年の東京オートサロンでは、前年を上回る25万人以上の来場者を記録した。海外でも開催されるなど、ブランドの輸出も始まっているが、まだまだ人気は衰えそうもない。当分、クルマ好きを集客する強力なブランドとして君臨しそうである。

筆者プロフィール:高根英幸

 芝浦工業大学機械工学部卒。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。これまで自動車雑誌数誌でメインライターを務め、テスターとして公道やサーキットでの試乗、レース参戦を経験。現在は日経Automotive、モーターファンイラストレーテッド、クラシックミニマガジンなど自動車雑誌のほか、Web媒体ではベストカーWeb、日経X TECH、ITmedia ビジネスオンライン、ビジネス+IT、MONOist、Responseなどに寄稿中。著書に「エコカー技術の最前線」(SBクリエイティブ社刊)、「メカニズム基礎講座パワートレーン編」(日経BP社刊)などがある。近著は「きちんと知りたい! 電気自動車用パワーユニットの必須知識」(日刊工業新聞社刊)、「ロードバイクの素材と構造の進化」(グランプリ出版刊)。


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