ワークスーツを開発した理由について、松重氏は「当時、作業服や作業用品だけではなく、新たな客層を拡大したいと考えていました。サービス業のウェアは高価格な製品が多数を占めており、当社らしい『高機能×低価格』を生かしたウェアに勝機があると考えました」と説明する。加えて、販売していたサービス業向けのシャツの売れ行きが好調だったことも、ビジネススーツ開発の後押しとなった。
同社初のビジネススーツということもあり、開発が決まった際は社内から驚きの声もあったという。しかし、ビジネススーツかつ「高機能な作業服である」というワークマンらしい要素があることから、後押しする意見の方が多かったそうだ。
開発時には、作業服として問題なく使用できる点にこだわったという。これまでの作業服開発の知見を生かし、収納力の高いポケットなど「作業時にあったらうれしい」機能と、スーツとしての“見栄え”を両立した。
ワークスーツは当初、作業現場とオフィスを行き来する時や作業中の来客時対応などを利用シーンとして想定していた。店頭では、作業着と同じ場所に陳列したという。しかし、想定ターゲットだけでなく、ビジネスパーソンからの支持も獲得した。動きやすさやデザイン性が評価されてとのことだ。特にジャケットが人気で、2024年1〜11月の売り上げは前年同期比で154%だという。
ワークマンにおけるビジネススーツの可能性を開拓した、ワークスーツ。安定した人気を維持しているが、現時点ではカラーバリエーションの追加やサイズ拡充などは予定していないという。「当社は『声のする方に進化する』ことを意識しているので、今後寄せられたお客さまの声を参考に改良していきたいと考えています」(松重氏)
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