なぜファミマは“涙目”を選んだのか 「値下げシール」導入の舞台裏イラストに「たすけてください」(2/4 ページ)

» 2025年01月25日 06時00分 公開
[小林香織ITmedia]

食品ロス削減を目的に、2021年に「エコ割」を開始

 ファミリーマートでは、環境の中長期目標「ファミマecoビジョン2050」に則り、店舗における食品ロス削減に取り組んでいる。食品ロスを2018年比で2030年に50%、2050年に80%削減するという数値目標を掲げている。

ファミリーマートでは、食品ロスを年々削減している

 そうしたなか、包装の改良による消費期限の延長や規格外の食材の活用、AIなどを活用した発注精度の向上、消費期限の迫った中食商品の割引(エコ割)などを実施して、成果を上げてきた。2023年度は2018年対比で28.9%の削減となり、2024年度は集計中だが、より上向くと予想している。

 「さまざまな施策の複合的な効果としての実績ですが、肌感として2021年7月から開始したエコ割は、食品ロス削減に非常に貢献していると思います。現在、全国9割以上の店舗でエコ割を活用しています」(原田氏)

ファミリーマートのほとんどの店舗で値下げを実施している

 ファミリーマートでは、比較的早期に値下げを実施してきたことから、その認知が広がっているという。調べてみると、大手3社のうちローソンが最も早く開始しており、2021年12月時点で全国の9割の店舗で導入していた。ファミリーマートでは同タイミングで8割が導入済みだった。

 セブン-イレブン・ジャパンでは、2021年8月に売れ残った商品を加盟店の判断で自由に値下げできるシステムを導入したと報道されているが、2024年時点で常に値下げをする店舗は約3割にとどまっていた。同年5月に本部が主導して値下げを推奨する方針転換が行われている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

SaaS最新情報 by ITセレクトPR
あなたにおすすめの記事PR