各社が食品ロス削減に取り組むなか、ファミリーマートでは数値目標の達成を目指し、値下げシールのデザイン変更を思いついたという。
「キャラクターの表情を『笑顔』『号泣』『焦り顔』『困り顔』など約10パターン用意し、それに添えるメッセージも『このままだと捨てられてしまう』『私を連れていって』『私を買ってください』など表現を変えました。デザインを決めるにあたって消費者モニター調査を行ったところ、『涙目』の表情と『たすけてください』のメッセージが圧倒的に評判が良かったんです」(松村氏)
松村氏は当初、「笑顔のイラストが売り上げにつながるのではないか」と仮説を立てていた。しかし、調査では「笑顔だと販促として買ってほしいようなイメージがわく」といった声が聞かれたという。
メッセージについても、直接的な「たすけてください」よりも、やや控えめな「私を連れていって」や「私を買ってください」などのほうが好まれそうだと予想していたが、それらは「目的が食品ロス削減だと伝わりづらい」「セールやキャンペーンのように思える」と、あまり評判が良くなかった。
「『なぜ買ってほしいのかが分からない』といった声が多く聞かれました。一方、涙目のキャラクターと『たすけてください』というメッセージは、『このままだと捨てられてしまうから助けてほしい』という当社のメッセージが一番伝わりやすいと好評でした」(原田氏)
モニター調査では、多くの人が「食品ロス削減に貢献したい」「社会を良くするために何かアクションをしたい」といった意思を持っていることも読み取れたという。その意思を後押しするにも、「涙目」に「たすけて」というメッセージがベストだと判断し、このデザインで実証実験を行うことにしたそうだ。
「涙目おにぎり」の値下げシール、ファミマが全国拡大へ 食品ロス3000トン削減見込む
おにぎりが涙目で「たすけてください」 ファミマ、新たな値下げシールで実験Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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