実証実験は、2024年10月30日〜11月26日までの4週間、東京都と神奈川県の合計6店で実施した。エコ割の利用状況が全店平均レベルの店舗を選定し、デザインを変更した値下げシールを使用した場合と従来の値下げシールを使用した場合で、値下げ商品の販売状況や食品ロスの削減状況にどのような変化が起こるかを比較検証した。
「結果的に、デザインを変更したシールを使用した商品の購入率が5ポイント向上しました。購入した方に購入理由をヒアリングしたところ、『涙目のイラストが目にとまったから』『食品ロス削減に賛同したから』という声が聞かれ、このデザインが購入につながっていると感じました」(松村氏)
「デザインに関係なく、『単純にお得だから』という理由で購入する方は一定層いると思います。一方で、『キャラクターがかわいそうで助けたくなる』という方や、『通常の値下げシールよりも買いやすい』という方もいました。これまでエコ割の商品には手を伸ばしづらかった方でも、食品ロス削減を目的に購入するのだからと意識が変わり、行動しやすくなるようです」(原田氏)
新デザインの値下げシールは、2025年3月から順次、全国の店舗に導入予定だ。全国的に展開することで、年間で約3000トンの食品ロス削減を見込んでいる。
筆者は、ファミリーマートで値下げ商品を時々購入するが、言われてみれば、若干の恥ずかしさを感じることがある。特に、値下げ商品を複数まとめ買いするときに、そのような感情が生まれやすい。店舗にはセルフレジもあるが、エコ割の商品はそれが使用できず、必ず店員のいるレジで会計する必要がある。
シールのデザイン変更に加え、セルフレジでもエコ割の商品を会計できるようになれば、より値下げ商品の購入率が上がるかもしれない。
「涙目おにぎり」の値下げシール、ファミマが全国拡大へ 食品ロス3000トン削減見込む
おにぎりが涙目で「たすけてください」 ファミマ、新たな値下げシールで実験Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング