目標達成クラウド「ジョブオペ」を展開する給与アップ研究所(東京都千代田区)は、社会人経験が3年以上で転職経験があり、管理職を志望する24〜29歳の総合職女性を対象に転職事情と1on1や評価制度の関係について調査した。
転職前の会社での上司との1on1(評価面談以外の上司との定期的な面談)に不満を抱えている人は多いようで、40.8%が「かなり不満があった」、40.9%が「少し不満があった」と回答した。
不満を持っている人は、上司との1on1が転職意欲に影響を与えているようだ。「転職意欲が強くなった」(「非常に強くなった」「やや強くなった」の合算)と回答したのは84.2%に上った。
1on1のどのような点に不満を感じたか尋ねたところ、50.0%が「形式的な会話で終わってしまう」と回答した。2位は「具体的なアドバイスがない」(32.9%)、3位は「成長につながらない」(31.6%)となった。
1on1をより効果的にするための改善点として、彼女たちはどの視点が必要だと考えているのか。最も多かったのは「建設的なフィードバック」で44.7%に上った。以降「具体的な改善提案」(36.8%)、「キャリアビジョンの共有」(34.2%)と続いた。
理想的な1on1に必要な上司のスキルとしては何があるか。44.3%が「傾聴力」を挙げた。2位は「部下に対する深い理解力」(39.6%)、3位は「フィードバック力」(36.8%)という結果に。
前職の人事評価制度について尋ねたところ、「明確な人事評価制度があり、適切に運用されていた」と回答したのは3割にとどまった。「人事評価制度はあったが、基準が不透明だった」(28.3%)、「人事評価制度はあったが、形骸化していた」(22.6%)といった回答だけでなく、「人事評価制度がなかった」(13.2%)との回答もみられた。
前職の退職理由で27.4%が挙げたのも「評価制度が不透明だったから」と評価制度が関連していた。以降「成長実感が得られなかったから」(25.5%)、「上司からの不適切なフィードバックがあったから」(24.5%)と続いた。
具体的に、フィードバックのどのような点が不適切だったと感じているのか。最も多かったのは「感情的な態度や発言があった」で、46.2%に上った。2位は同率で「具体的な改善点が示されなかった」「客観的な評価基準がなかった」(38.5%)となった。
給与アップ研究所は調査を踏まえ、「管理職志望の若手女性人材が転職を考える背景に、人事評価制度の不透明さと1on1面談の質の問題が大きく影響していることが明らかになった。特に、1on1への不満が転職意欲を高める要因となっている。優秀な人材の流出を防ぎ、持続的な組織成長を実現する上で、1on1を通じた信頼関係の構築は不可欠。そのためには、効果的な面談を行えるスキルを備えた上司の育成や、評価の透明性を向上させる仕組みづくりが鍵となる」とコメントした。
調査は、社会人経験が3年以上で転職経験がある、管理職を志望する24〜29歳の総合職女性106人を対象にインターネットで実施した。期間は1月8〜14日。
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