商品コンセプトとデザインは早く決まったが、価格(4万4550円)については社内でも不安の声が上がっていた。しかし4万円を超えても、それに見合う体験価値を提供できると考え、実演販売にも注力。「肉を最もおいしく焼ける製品」というポジショニングを目指して、PRから積極的に取り組んだ。
その結果、発売から1年で4万5000台を販売し、想定を上回る反響を得た。別売りでフチ付きプレートと専用フタ、たこ焼きプレートなども用意しており、発売当初はフルセット購入が7割を占めた。
既存製品と異なり、男性の購入が目立ったほか、今回初めてバルミューダの製品を購入した人も多かったという。キッチンよりもダイニングでの使用を前提にした製品設計にしたことで、新たなターゲットに届いた。
「プロの調理現場の機能を家庭用に落とし込んだ商品として、道具にこだわる人や料理を振る舞うのが好きな人に共感された」と秦泉寺氏は分析する。
一方で、課題としては「使用頻度」をあげる。「何を作ればいいのか分からない」という声も寄せられており、この課題に対し、同社はトースター開発での経験を生かす考えだ。
「パンを焼く以外の使い道」を発信したように、肉を焼くだけの道具ではなく、素材の味わいを変える、料理を楽しくする道具として用途の広さを提案していく。
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