「風呂は固定」が常識だよね? それでもリクシルが“片付けられる浴槽”を開発した理由(4/5 ページ)

» 2025年02月22日 09時06分 公開
[小林香織ITmedia]

海外からも問い合わせ続々

 11月26日の販売が決まった後は、10月1日にプレスリリースで発表し、10月18〜27日に開催されたデザイン&アートフェスティバル「DESIGNART TOKYO 2024」に出展した。SNS投稿に加え、イベントにテレビやWeb媒体などの取材が入ったことで情報が広く知れ渡り、想定以上の反響があったという。

「DESIGNART TOKYO 2024」では浴槽を浮かせて展示したため、「仮設的に使用できる」と捉えた人が多かったようだ(リクシル提供)
TikTokでは10万を超えるいいねと1000件以上のコメントが付いた(リクシルの公式TikTokアカウントより)

 例えば、TikTokではリクシルが投稿した動画に10万以上のいいねと1000以上のコメントが付いた。コメントには「サウナの水風呂に良さそう」「用途使い分けでペットにいいかも。あとは反抗期の娘のために『お父さん専用』とか」「災害時の貯水槽にもなりそう」など、用途に言及する声が多くあった。

 一方で、浴槽だけを販売する商品だと勘違いしたことによる「強度」への懸念も。「野外で使えそう」という声も多くあったが、壁裏のフレームで荷重を担保しているので野外での使用は難しい。デメリットである「保温性が弱い」「浴槽が数年しかもたない」といった点を指摘する声も見られた。

湯船に浸かる習慣が薄い海外からの反響は想定外だったという(リクシル提供)

 国境を越えて海外からも興味関心が寄せられた。TikTokには外国語のコメントがズラッと並び、アイデアへの驚きや使い方への疑問のほか、「今すぐほしい」という声も。

 「海外からの問い合わせも相当数あります。『購入したい』という方もいるのですが、浴槽の単品販売は現状不可能であり、工事も現状は国内のみなので、お断りするしかなくて……。これほどの反響をいただいているので、広く販売できるような別の仕様も考えていきたいですね」

 国内では納品事例もあるが、現地調査が必要な商品であり、まだ検討中の人が多い状況だ。これまでのところ、内装にこだわりを持つ賃貸物件のオーナーやリフォーム事業を展開する工務店、リゾートホテルなどから問い合わせが多いという。

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