この記事は、『組織をダメにするのは誰か? 職場の問題解決入門』(岸良裕司/クロスメディア・パブリッシング)に掲載された内容に、編集を加えて転載したものです。
【名称】キキカンアオリ虫
【主な生息地】「危機感を持て!」と大号令を飛ばす経営トップの周辺
【特徴】「キキカンヲモテ!」と聞こえる鳴き声を出すと同時に、ムチのように変異した手足で周囲の尻を叩き、同じように鳴かせて大合唱となる。現場に変革を迫る一方、最も変わらなければならない経営幹部が変わらないので、業績が好転しない。その結果、株主などから圧力を受け、経営陣から失脚するので寿命は意外と短い。
「危機感を持て!」
業績が低迷する中、こんな声が経営幹部から聞こえてきたら「キキカンアオリ虫」が侵入している可能性が高い。キキカンアオリ虫はムチのような手足を持ち、周りの人を叩き同じように鳴くことを強要する。そのため組織の上部に発生すると瞬く間に現場にまで広がり、気付けば会社中が「キキカンヲモテ!」の大合唱で大騒ぎになる。
「経営改革」は文字通り、経営を改革することで、「現場改革」とは異なる。だが、キキカンアオリ虫がいったん会社に忍び込むと、本当に変わらなければならない経営はそっちのけで、現場にムチを打ち、経営改革が現場改革に矮小化されてしまう。
「経営改革」と「現場改革」、どちらが大きな成果が望めるか?
「経営改革」と「現場改革」、どちらが難しいか?
業績低迷から脱した会社の多くは、経営改革を実現した会社であるのは言うまでもない。経営改革と現場改革には雲泥の差がある。キキカンアオリ虫が生息している会社では、現場に変革を迫るわりには、経営幹部自身の危機感が欠如している場合が多い。ちなみに、こうした経営幹部のことを「経営患部」と呼ぶので、ぜひ、みなさんの会社でも広めていただきたい。
要するに、現場にしてみれば「おまえが変われよ!」と経営“患部”に言いたいわけだ。
だが、実は上層部に目を付けられるリスクを冒してまで、キキカンアオリ虫を自ら駆除しようと思わなくてもいい。業績低迷が続けば、最終的には資本主義で最強の害虫キラー、株主が経営幹部に退場を迫ってくれる。
株主の意見を代表する社外取締役が頑張ってくれるかもしれない。いずれにしても、様々なステークホルダーがキキカンアオリ虫に取りつかれた経営幹部を退治してくれるので、寿命は短い。
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