外資系資本となったことで、ドミノ・ピザは積極的な拡大路線に走った。FCも活用しながら店舗数を増やし、2019年に600店目となる銀座店をオープン。店舗数と売り上げで国内首位に立ったと発表している。
急成長の要因には、女性の社会進出によって夕飯に宅配を注文する機会が増えた点が挙げられる。2014年に本格スタートした「持ち帰り2枚目無料」も奏功した。
かつて宅配店舗は立地を選ばず、家賃の安い2等地、3等地と目立たない場所に構えることが多かった。しかし、この頃から店舗で購入しやすいよう駅前や生活道路沿いの1等地に出てきた。ドミノ・ピザの店舗を目にする機会が多くなり、実際の数よりも急増したイメージを消費者に印象付けた。
この勢いのまま、コロナ禍に突入。感染リスクを回避するため、外食のニーズが激減したことでウーバーイーツ、出前館などが一般化し、デリバリーに特化した業態が急成長した。宅配ピザの注文も激増し、一気に勝負に出た。ドミノ・ピザは競合に圧倒的な差を付けて、マクドナルドのようなガリバー企業になろうと、2028年までに1000店達成を目標に掲げた。
2020年5月には「業界初」となる、デリバリー最低注文金額の完全撤廃を実施。その後、2021年に目標を1500店へ上方修正し、2023年には1000店に到達するとともに、2033年までに2000店まで拡大すると宣言した。
しかし、上述の通り2024年7月に不採算店80店の撤退を発表し、今般のさらなる大量閉店である。コロナ禍を千載一遇のチャンスと出店しまくったものの、ニーズが追い付かなかったわけだ。
“閉店ドミノ”の「ドミノ・ピザ」が、さらに「苦戦」しそうなワケ
セブン「宅配ピザ」参入の衝撃 テスト販売から一気に拡大も納得の理由Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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