生成AIの基盤となる大規模言語モデル(LLM)を開発するオルツ(東京都港区)は、データアナリティクスラボ(以下、DAL)と共同で、AI開発ソリューションサービス「alt AI Lab」(オルツ・エーアイ・ラボ)の提供を開始した。データの収集・分析、AIエージェントの開発・運用を一貫して支援する。
近年、生成AIの急速な進化に伴い、企業におけるAIエージェントの活用ニーズが高まっている。ただAIエージェントの導入には、質の高いデータ分析基盤の構築やAIエージェントの適切な学習環境の整備といった高度な専門知識が求められる。
そのため、多くの企業がAIエージェントの導入と運用に必要な人材の確保に苦慮している。情報通信総合研究所の調査によると、実際に生成AIを導入・検証している日本企業の割合は、従業員数1000人以上の大企業でも3割にとどまっているという。
こうした課題を解決するため、オルツのAI開発(特に生成AI導入とAIエージェント開発支援)とDALのデータサイエンス領域でのノウハウを融合し、同サービスを提供することとなった。企業におけるAI導入や活用のハードルを下げ、日本全体のAI普及を後押しする。
同サービスでは、データ収集から分析、AIエージェント開発、運用までを一貫して支援するという。DALの強みであるデータ分析・可視化基盤の整備、BIツールを活用した高度な分析環境の提供、基礎的統計分析によるビジネス課題の解決を支援し、企業のデータ活用を促進させる。予測分析・行動分析により、意思決定の高度化もサポートする。
一方、オルツの強みであるエージェント型機械学習モデルの開発や、最新の生成AI技術とエージェントシステムの統合支援を行い、企業ごとのニーズに対応した最適なAIソリューションを提供する。AIエージェント基盤構築支援や、AIエージェントシステムの継続的な保守・運用・改善を通じて、AI活用の持続的な発展も支援する。
オルツは、同サービスについて今後3年間で100社への導入を目標にしている。さらに業界特化型AIエージェントの開発を進め、マルチエージェントシステムによる企業間連携ソリューションの実現を目指す。
AI人材に投資し売上高3000億円へ SHIFT社長が描くAIエージェント革命
SHIFT、AIエンジニア500人体制へ AIエージェントも開発
なぜIT多重下請けは起こるのか? 日米“外注構造”とDXの違いから考える
“孫正義流”ChatGPTの使い方とは? 「部下と議論するより面白い」
孫正義「A2Aの世界が始まる」 数年後のAIは“人が寝ている間に”何をする?
NEC森田社長に聞く「2025年の投資戦略」 BluStellarとDX人材活用はどうなる?
松尾豊東大教授が明かす 日本企業が「ChatGPTでDX」すべき理由Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング