『機動戦士ガンダム』が宇宙世紀という壮大な物語世界を生み出してからほぼ半世紀。日本のエンタメ史に大きな影響を与え続けるガンダムシリーズに、また新たな転換点が訪れようとしている。
2025年4月放送予定のテレビアニメ『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』(以降、ジークアクス)における、一部エピソードを再編集した映画は、単なる新作アニメ・劇場版の登場にとどまらない。
本稿ではコンテンツマーケティングの観点から、ジークアクスビギニングがこれからそして今後担うであろう役割、コア層からライト層へ及ぼす影響について考察する。
1点目はもちろん、ファンの熱量増加のきっかけ作りである。ジークアクスビギニングは前述の通り、4月から放送を予定しているTVシリーズの一部エピソードを再編集した劇場先行版という形態の作品であり、劇場へ行かずとも放送を待てば同種のストーリーを無料で視聴可能である。
先行公開は金銭を支払ってでも早期に見たいシリーズコアファン向けのビジネス、冒頭エピソードを数話分束ねることは「1話切り」を防ぐため一つのストーリーが完結するまで束ねる試みであり、形態自体がそこまで特異なわけではない。
後述するストーリー面の特異性がなくとも、コアファンを中心に一定の興行収入をあげ、テレビ放送に向けて少しずつ熱量を上げる役割は十分担えただろう。
しかしそれにとどまらなかった。公開初週の観客動員ランキング1位、第2週では初週よりも興行収入・観客動員数を更に増やして連続1位、2月9日までで興行収入20億円を超える大ヒットである。
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