今回のイベントを企画した三浦氏は、本来の所属は法人営業部。社内ダブルワーク制度で、所定労働時間の2割ほどを、ドコモ未来フィールド事業を主幹するブランドコミュニケーション部での活動に費やしている。阪神甲子園球場とのプロジェクトは1年前にキックオフしたが、基本的にはスムーズに進行したそうだ。
「当然、できること、できないことはありましたが、ドコモ未来フィールドはプレミアムな体験を届けて、夢を応援するものだという趣旨をご理解いただけたので、逆に球団側から『これだったらプレミアムな体験になるのでは』と提案くださったものもありました。例えば、通常なら入れない通路もあったのですが、撮影NGであることを条件に了承いただきました」
同事業が掲げるコンセプトを十分に体現できたと三浦氏は胸を張る。
島﨑氏は、1年半ほど取り組んできたドコモ未来フィールドについて一定の手応えを感じている。参加希望者は増加傾向にあり、上述したように今回のイベントは倍率が100倍を超えた。3月29日に開催予定の国立科学博物館との企画も非常に多くの応募があったそうだ。そうした状況もあり、従来とは違った形のプログラムも考えていきたいとする。
他方で、この事業を継続するためには、社会貢献だけで終わらせず、事業貢献という視点も必要になってくるという。具体的にはCRM(顧客管理)システムと連携するなどして、マーケティング活動にも生かしたいと話す。
「応募がかなり増えてきていますので、今後は参加できなかった方にも何かお届けするようなコンテンツが必要だと感じています。一方で、参加者ともずっとリレーションを構築できるようなプロジェクトにしていきたい。現状の課題はCRM的な要素がまったくないことです。メールマガジンに登録させていただき、こちらから発信していくことも検討したいです」
なお、野球をテーマにしたイベントは、目下、タイガース以外の球団とも交渉中だという。児童の野球人口は減少傾向にあるとはいえ、まだまだスポーツの中では人気であることを、今回のイベントを通じて再確認したようだ。ドコモ未来フィールドの認知拡大という点でも、さらなる盛り上がりが十分に期待できるだろう。
伏見学(ふしみ まなぶ)
フリーランス記者。1979年生まれ。神奈川県出身。専門テーマは「地方創生」「働き方/生き方」。慶應義塾大学環境情報学部卒業、同大学院政策・メディア研究科修了。ニュースサイト「ITmedia」を経て、社会課題解決メディア「Renews」の立ち上げに参画。
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