「ふじや」と「不二家」 名前間違いがきっかけで生まれたコラボ「胡麻どうふ」がヒット(3/5 ページ)

» 2025年03月31日 08時00分 公開

週1回のアイデア交換会がヒット商品を生み出す秘密

 新卒社員の何気ない発言から不二家とのコラボが実現したように、ふじや食品では若手の声を大切にしている。この組織文化を支えるのが、2000年に導入された「プロダクトマネージャー制度」と週1回開催される「情報交換会」だ。

 「情報交換会は週に1回、企画開発室の15人全員が集まり、1週間の生活の中で見つけたものを共有します。例えば『○○のスーパーで見かけた面白い商品』『あそこのレストランの料理がユニーク』など、何でもいいので普段の生活で気になった情報を交換する場です」と中島さんは説明する。

 アイデア会議では質より量を重視。企画開発室の各班は最低でも100以上、3班合わせて300以上のアイデアを出し合うという。「精度を求めすぎると出てこなくなるので、気軽な立ち話程度の感覚でやろうと始めました」(中島さん)

 実際にブレストの現場ではふせんに多くのアイデアが書き込まれ、「茶碗蒸し×プリン=チャップリン」といった自由な発想も積極的に拾い上げる。「商品開発につながらなくても構いません。とにかく生活者目線で気になったものを持ち寄って交換することで、何かヒントになる可能性があります」(中島さん)

さまざまなアイデアが商品化。「クリームソーダ味胡麻どうふ」
「コーヒーフロート味胡麻どうふ」

 一人で考えるよりも複数人でアイデアを共有することで、思いもよらなかった発想が生まれる。「若い社員たちに『アンテナを高くして生活してほしい』と言っても響きにくい。でもこうした仕組みを通じて、自然とその習慣が身につくのではないかと考えています」と狙いを語った。

「くるみ胡麻どうふ」。1個あたり87kcalと低カロリー
「アーモンド胡麻どうふ」
「蜜いも胡麻豆腐」

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