新入社員に「主体性を持て!」は意味がない 人が自然に動く「タスク管理」の手法「キレイごとナシ」のマネジメント論(3/5 ページ)

» 2025年04月08日 08時00分 公開
[横山信弘ITmedia]

主体性は「結果」であって「前提」ではない

 タスク管理が徹底されると、次のステップとして「先回り行動」ができるようになる。

 「このデータは経理部に確認してもらう必要がある。だから3日前には資料を渡しておこう」

 「この案件は法務チェックが必要になるな。早めに相談しておこう」

 このような思考回路が身に付けば仕事は格段にスムーズに回る。まさに「自走できる人材」の誕生だ。

 しかし誤解してはならない。自走とは「好き勝手に動くこと」ではなく、「必要な作業を先読みし、段取りする力」である。そしてタスク管理こそが、その基礎体力を育てるのだ。

 主体性とは、前提として求めるものではなく、結果として現れるものだということも覚えておこう。

 「部下にもっと主体性を持ってほしい」と思ったとき、まず上司がすべきことは、次のような問い掛けだ。

 「この部下はタスクをきちんと分解できているか?」

 「作業の優先順位を判断できているか?」

 「いつまでに何をすべきか理解しているか?」

 そのうえで、細かい進捗確認や、小さな成功体験の積み上げを支援すること。それこそが、上司としての役割だ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

SaaS最新情報 by ITセレクトPR
あなたにおすすめの記事PR