1席当たりの消費電力は、従来型と同等レベルを維持しているという。通常は、空気が外に逃げてしまうため空調機の運転量が多くなるが、最適な設計により運転量を抑えた。
開発段階では、快適性と省エネルギーの両立が難しかったという。「空調ユニットの吸い込みと吹き出しの位置関係や風量バランスを調整し、最も効率的な設計を見つけるのに苦労した」と須藤さんは振り返る。
また、鉄道に設備を設置した経験が少なかったため、大阪メトロからのフィードバックをもとに、安全面の課題にも対応した。不燃材料の使用や、運転士が利用者の様子を確認できるよう側面を見通せる設計にするなど、安全性を高める工夫を取り入れた。
実験開始から約1カ月が経過し、利用者からの反応も集まっている。「開放型であれば、感染症の不安もなく、扉の開け閉めもないため気軽に座ることができ、スムーズに電車へ乗れる」といった声が寄せられている。
今回の実験では、夏季と冬季の両方のデータを取得することが主な目的だ。パナソニックでは、実験終了後に結果を整理して実用化を進めながら、各鉄道会社への提案活動を予定している。
現在のシステムは4人用で設計されているが、将来的には複数台の設置や建築物への組み込みも視野に入れる。猛暑対策と駅の混雑対策を両立させる技術が、万博を控えた大阪だけでなく、各都心部のインフラとして導入される日も近いかもしれない。
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