パナソニックは、前面開放型の「駅待合ブース」を約1年かけて開発した。最大の特徴は、前面が開放されながらも冷暖房効果を維持できる点だ。パナソニックはこれを「AIRVEIL SPOT(エアベイルスポット)」と名付け、独自の気流制御技術によって実現した。
通常は、前面が開放されていると空気が外に逃げてしまう。しかし、同社の「ゾーニング気流」と呼ばれる独自技術がその課題を解決した。
冬は足元から暖気を吹き出して中部に吸い込み、夏は上部から冷気を吹き出して中部に吸い込む構造で、空気を意図的に循環させ、外に逃げないよう包み込む気流設計となっている。
これにより、夏は暑さ指数を安全域に、冬は体感温度を快適領域に保つ効果が期待できるという。
人流が増加しても通行しやすいよう設備スペースも工夫している。従来の個室待合室と比較して、奥行きを約50%削減したことにより、限られたスペースでの導入も可能にした。
そのため、空間効率だけでなく、コスト面でも優位性がある。前面が開放されているため扉などの部材が不要となり、部材費は従来型の半分程度に抑えられる見込みだ。
従来の個室型待合室は、扉の開閉が必要なため、荷物を持っている人や高齢者には不便であり、閉鎖空間ゆえの感染症リスクやセキュリティ上の懸念もあった。前面開放型であれば、これらの課題も解決できる。
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