物価高騰や人手不足を受けて、企業に対する「継続的な賃上げ」への社会的期待が高まっている。しかし、中小企業や地方企業からは「人件費の増加が経営を圧迫している」「賃上げの持続が難しい」といった“賃上げ疲れ”の声もあがっている。福利厚生の食事補助サービスを提供するエデンレッドジャパン(東京都港区)は、賃上げ疲れに関する調査を実施した。
賃上げ疲れを感じている企業は、77.0%(「とても感じている」「やや感じている」の合計)だった。賃上げ疲れが及ぼす影響としては「企業収益の圧迫」(68.7%)が最多となり、以下「事業への投資抑制」(33.1%)、「給与の世代間ギャップによる従業員のモチベーション低下」(29.0%)が続いた。賃上げ疲れは、企業の成長戦略や中長期的な経営判断にも影響を及ぼしているようだ。
賃上げ疲れを感じている企業のうち、2025年度の初任給水準を引き上げたのは、大企業では86.1%、中小企業では73.8%だった。引き上げた理由として最も多かったのは「応募者の確保・辞退防止など」(79.6%)で、その他「同業他社との競争力強化」(44.8%)、「物価上昇を踏まえた生活支援」(35.4%)といった声が寄せられた。
2026年度の賃上げ見込みについては、「確実に継続できる」「おそらく継続できる」と回答した企業は59.1%という結果に。大企業は68.3%が継続の見込みを示した一方、中小企業は52.9%と半数程度にとどまった。
調査は4月11〜15日、2025年に賃上げを実施する企業の経営者・人事担当者514人にインターネットで実施した。
26年卒の「初任給」いくら上がる? 54.1%が「引き上げる予定」
初任給30万円時代、素直に喜べない「3つの落とし穴」とは
初任給アップの代わりに、ボーナスがなくなる? 大企業で進む「賞与減・月給増」は広がるか
中堅は「給料減」 相次ぐ大手企業の「初任給アップ」の背景にある悲しい事情Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング