「中身で勝負したいです。商談はパーカーで良いですよね?」と部下 上司のあなたはどう答える?「キレイごとナシ」のマネジメント論(2/5 ページ)

» 2025年04月24日 08時00分 公開
[横山信弘ITmedia]

「中身で勝負」が通用しない理由

 「中身で勝負したいので、パーカーでも大丈夫ですよね?」

 若手の営業からこんな質問をされたら、上司は即座にこう答えるべきだ。

 「パーカーで営業されて喜ぶというお客さまでない限り、決しておすすめできない」

 ビジネスの基本は「相手の立場に立って考える」ことだ。他者視点がなく、自分視点でしか物事を考えられない人間は、いずれ人から信頼されなくなる。

 「中身で勝負」というのは耳に心地いい。しかし、お客さまは「中身」だけでなく、それを包む「外見」も含めて判断するものだ。営業が最初にすべきことは、まず「信頼」を獲得すること。服装がラフすぎると、それだけでお客さまの警戒心を強めてしまう。

 そもそも「中身で勝負」という言葉自体、よく考えると不思議な表現だ。中身と外見は対立するものではない。どちらも自分を表現する大切な要素である。

ビジネスカジュアルとオフィスカジュアルの違い

 昨今、スーツでなくてもいい場面は確かに増えた。しかしパーカーとビジネスカジュアルは別物だ。ここで基本的な区別を整理しておこう。

 ビジネスカジュアルとは、取引先や社外との会議にも対応しやすい比較的きちんとした装いのことだ。襟付きシャツやジャケット、スラックスなどが中心である。少なくとも、一定のフォーマル感を維持することが求められる。

 一方オフィスカジュアルは社内向けの服装だ。ポロシャツやチノパン、スニーカーなど、ラフなスタイルが許容される場合が多い。

 パーカーはどちらかといえばオフィスカジュアル、もしくはそれ以下のプライベートウェアだ。商談の場に持ち込むのは適切とはいえない。

 もちろんこれは目安だ。組織文化にも左右される。TPO(時・場所・場合)をわきまえることが基本だということを忘れないでほしい。

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