「中身で勝負したいです。商談はパーカーで良いですよね?」と部下 上司のあなたはどう答える?「キレイごとナシ」のマネジメント論(4/5 ページ)

» 2025年04月24日 08時00分 公開
[横山信弘ITmedia]

プロフェッショナル意識の表現

 適切な服装は「私はプロです」というメッセージになる。パーカーではその意識を伝えにくい。

 IT業界のある営業パーソンは、スタートアップの雰囲気に合わせてカジュアルな服装で訪問していた。しかし大手企業との商談では成約率が低迷してしまった。そこで、ビジネスカジュアルに変更したところ「この会社は本気だ」と評価され、大型案件を次々と獲得できるようになった。

相手への敬意の表現

 服装を整えることは「あなたを大切に思っています」という非言語メッセージになる。

 ある金融機関では、お客さまの業種や役職に合わせた服装ガイドラインを設けている。製造業の現場ならビジネスカジュアル、経営層との商談ならフォーマルスーツというように変えた。「相手を尊重している」という姿勢を示すことで、顧客満足度が大幅に向上した。

心構えの切り替え

 ビジネス向けの服装に着替えることで、自分自身の気持ちも「仕事モード」に切り替わる。

 テレワークが増えた時期、在宅でも上半身だけでもビジネス服を着用した営業パーソンは、ラフな服装で仕事をした人よりも営業トークの質が高く、集中力も持続したという社内調査結果がある。服装は外見だけでなく、自分自身の心理状態にも影響を与えるのだ。

組織の代表としての自覚

 個人の好みではなく、組織の代表として適切な装いをすることは、社会人としての基本。

 ある大手メーカーの営業部では、全員が統一されたドレスコードを順守している。これにより「同じチームの一員」という連帯感・帰属意識が生まれるだけでなく、「会社の顔」としての自覚も芽生えた。接客態度も向上。結果として組織全体のブランドイメージが高まったという好事例である。

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