かつやはコロナ禍の逆風にもめげず、成長を続けてきた。コロナ直前の2019年から2022年の売上高推移は232億円→241億円→252億円→279億円である。店舗数も406店→420店→435店→450店と着実に伸ばしてきた。2023年以降はアークランズの完全子会社となって上場廃止したので詳細を追えなくなったが、ずっと右肩上がりで伸びてきた。
そんなかつやでもコスト高による値上げは大きな課題であり、客数減が顕在化している。
かつやの客離れには、もう一つの要因が考えられる。それは、ライバルの台頭である。同様に低価格のとんかつ、かつ丼チェーン「松のや」の存在だ。
松のやは松屋フーズホールディングスの「松屋」に次ぐ第2のブランドとして、松屋や「マイカリー食堂」との併設店がコロナ禍から急増。併設店を含めると現在は500店を超えている。もともとは2001年に「チキン亭」としてオープンしたが、試行錯誤を経て2015年頃より松のやの屋号が定着し、成長軌道に乗った。
先行するかつやをはるか後方から追撃していた松のやだが、今では店舗数でかつやを上回る。このインパクトは大きく、松のやの勢いに押されて、かつやの顧客が移っている可能性がある。
松のやの特徴は、一部の店舗で定食メニューのご飯おかわり自由を行っていることだ。たくさん食べたい人にとっては、今時とてもありがたいお店となっている。かつや同様に値上げをしているが、コストパフォーマンスは高い。午前11時までは朝メニューがあり、さらにコスパが高まる。例えば小鉢も付く「得朝ロースカツ定食」は550円である。
「かつや」追う「松のや」の特徴は? “破格”250円朝食も 似て非なるそれぞれの戦略
なぜ「かつや」に何度も通ってしまうのか 男性客を虜にする「100円割引券」戦略に迫るCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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